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韓国語で「お酒が飲めない」は何て言えばいい?使いやすいフレーズ5選も紹介!

韓国ドラマや映画を見ていると、登場人物たちが焼酎(소주 – ソジュ)やビール(맥주 – メクチュ)を酌み交わすシーンが頻繁に出てきますよね。会社での飲み会「회식(フェシク)」や友人との集まりなど、韓国社会においてお酒はコミュニケーションを円滑にし、親睦を深めるための重要なツールの一つと考えられています。実際、ここ東京・渋谷も、水曜日の夜ともなれば、多くの人々が飲み会を楽しんでいることでしょう。

しかし、誰もがお酒を飲めるわけではありません。体質的に受け付けない人、健康上の理由で控えている人、あるいは単純にお酒が好きではない人もいます。韓国のような「飲んでこそ仲良くなれる」という雰囲気が少なからず存在する文化圏では、「お酒が飲めない」と伝えることに、少しプレッシャーを感じたり、場の雰囲気を壊してしまわないか心配になったりするかもしれません。

そこでこの記事では、韓国語で「お酒が飲めない」とスマートに、かつ角を立てずに伝えるための様々な表現をご紹介します。基本的な言い方から、理由を添えた丁寧な断り方、韓国の飲酒文化を踏まえた気遣いのフレーズ、そしてすぐに使える実践的な5つのフレーズまで、詳しく解説していきます。これさえ読めば、韓国での飲み会の席でも、自信を持って自分の状況を伝え、楽しい時間を過ごせるようになるはずです。

「飲めない」の基本表現:못 마셔요 vs 안 마셔요

まず、韓国語で「飲めない」と表現する際の基本となる二つの言い方、「못 마셔요(モンマショヨ)」と「안 마셔요(アンマショヨ)」の違いを理解しましょう。どちらも「飲めない」あるいは「飲まない」と訳せますが、ニュアンスが異なります。

能力・体質的に「飲めない」:못 마셔요(モンマショヨ)

「못(モッ)」は、動詞の前について「~できない」という意味を表します。これは、能力的な限界や、外部の要因、あるいは体質的な理由によって、ある行為が不可能であることを示します。お酒に関して「못 마시다(モンマシダ)」を使う場合は、「(体質的に)アルコールを受け付けない」「(健康上の理由で)飲むことができない」「(車の運転など、状況的に)飲むわけにはいかない」といったニュアンスになります。

  • 基本形: 못 마시다 (モンマシダ – 飲めない)
  • 丁寧なヘヨ体: 못 마셔요 (モンマショヨ – 飲めません)
  • カジュアルなパンマル: 못 마셔 (モンマショ – 飲めないよ)

使い方: 体質的にアルコールに弱い、あるいは全く受け付けないということを伝えたい場合に最も適した表現です。「自分の意志」ではなく「できない」というニュアンスが伝わるため、相手に「仕方ないな」と納得してもらいやすい傾向があります。

  • 基本文:
    • 저는 술을 못 마셔요. (チョヌン スルル モンマショヨ / 私はお酒を飲めません。)
    • 저는 술을 아예 못 마셔요. (チョヌン スルル アエ モンマショヨ / 私はお酒が全く飲めません。) ※「아예(アエ)」は「全く」「全然」。
  • 例文:
    • (お酒を勧められて) A: 자, 한 잔 받으세요! (チャ, ハン ジャン パドゥセヨ! / さあ、一杯どうぞ!) B: 아, 죄송해요. 제가 술을 잘 못 마셔서요. (ア, チェソンヘヨ. チェガ スルル チャル モンマショソヨ. / あ、すみません。私、お酒があまり飲めなくて。) ※「잘 못 마시다(チャル モンマシダ)」は「うまく飲めない=あまり飲めない、下戸だ」という定番の表現。

体質的に飲めないことを伝えたい場合は、まずこの「못 마셔요」を使うのが基本です。

意志として「飲まない」:안 마셔요(アンマショヨ)

「안(アン)」も動詞の前について、否定を表しますが、こちらは話し手の意志による否定、「~しない」 という意味合いが強くなります。「안 마시다(アンマシダ)」は、「(自分の意志で)飲まない」というニュアンスになります。

  • 基本形: 안 마시다 (アンマシダ – 飲まない)
  • 丁寧なヘヨ体: 안 마셔요 (アンマショヨ – 飲みません)
  • カジュアルなパンマル: 안 마셔 (アンマショ – 飲まないよ)

使い方: 飲めるけれども、その時の気分や、健康のため、宗教上の理由、あるいは単なる個人の選択として「飲まない」と決めている場合に使う表現です。

  • 基本文:
    • 저는 술 안 마셔요. (チョヌン スル アンマショヨ / 私はお酒を飲みません。)
    • 요즘은 건강 때문에 술 안 마시고 있어요. (ヨジュムン コンガン テムネ スル アンマシゴ イッソヨ / 最近は健康のためにお酒を飲まないようにしています。) ※「-고 있다(コ イッタ)」は「~している」。

注意点: 「못 마셔요」が「できない」という客観的な理由を示唆するのに対し、「안 마셔요」は「しない」という主観的な意志を表します。そのため、場の雰囲気や相手によっては、ただ「안 마셔요」と言うだけだと、「付き合いが悪い」「空気を読んでいない」と受け取られてしまう可能性もゼロではありません。特に目上の人がいる場などでは、「안 마셔요」を使う場合でも、理由を添えたり、丁寧な言い方を心がけたりする方が角が立ちにくいでしょう。

どちらを使うかは、自分の状況(本当に体質的に飲めないのか、意志で飲まないのか)と、その場の状況や相手との関係性を考慮して選ぶことが大切です。一般的には、「못 마셔요」の方が、相手にスムーズに受け入れてもらいやすい表現と言えます。

なぜ飲めない?理由を添えて丁寧に断る

単に「飲めません(못 마셔요)」や「飲みません(안 마셔요)」と伝えるだけでなく、簡単な理由を添えることで、相手への配慮を示し、よりスムーズに理解してもらうことができます。ここでは、よく使われる理由の伝え方を見ていきましょう。

体質や健康上の理由を伝える

体質的にアルコールに弱い、あるいは健康上の理由で飲めない・飲まないというのは、韓国でも非常に理解されやすい理由です。いくつか定番の表現を覚えておくと便利です。

  • 술을 잘 못 마셔요. (スルル チャル モンマショヨ)
    • 意味:お酒をあまり飲めません / お酒に弱いです。(直訳:お酒をうまく飲めません)
    • 解説:これが最も一般的で、当たり障りのない「飲めない」理由の伝え方です。「全く飲めない」のではなく「あまり飲めない、弱い」というニュアンスなので、角が立ちにくいです。
  • (술에) 약해요. ((スレ) ヤケヨ)
    • 意味:(お酒に)弱いです。
    • 解説:「약하다(ヤカダ – 弱い)」を使った表現。シンプルで分かりやすいです。「술에(スレ – お酒に)」は省略されることも多いです。
  • 알레르기가 있어요. (アルレルギガ イッソヨ)
    • 意味:アレルギーがあります。
    • 解説:アルコールアレルギーがある場合に使える表現です。健康に関わることなので、通常は強く勧められることはありません。
  • 지금 약 먹고 있어요. (チグム ヤン モッコ イッソヨ)
    • 意味:今、薬を飲んでいます。
    • 解説:「약(ヤク – 薬)」+「먹다(モッタ – 食べる ※薬を飲む場合も먹다を使う)」+「-고 있어요(コ イッソヨ – ~しています)」。薬との飲み合わせを理由にするのも有効です。何の薬かまで詳しく説明する必要はありません。
  • 건강 때문에 술을 끊었어요. (コンガン テムネ スルル クノッソヨ)
    • 意味:健康のために(理由で)お酒をやめました。
    • 解説:「건강(コンガン – 健康)」+「때문에(テムネ – ~のために、~の理由で)」+「끊다(クンタ – 断つ、やめる)」の過去形。自らの意志で断酒していることを伝える表現です。

これらの表現を使うことで、「飲みたくないわけではないけれど、仕方なく飲めない」というニュアンスを伝えやすくなります。

運転、翌日の予定などを理由にする

体質的な理由以外にも、その日の状況や予定を理由に断ることもできます。こちらも具体的で客観的な理由なので、相手に納得してもらいやすいでしょう。

  • 오늘 차를 가져와서요. (オヌル チャルル カジョワソヨ)
    • 意味:(今日は)車で来たので。
    • 解説:「차를 가져오다(チャルル カジョオダ – 車を持ってくる)」+理由を表す語尾「-아서요/어서요(アソヨ/オソヨ)」。飲酒運転は韓国でも厳禁なので、これは非常に強力な理由になります。語尾の「-요」が柔らかい印象を与えます。
  • 운전해야 해서 술은 못 마셔요. (ウンジョンヘヤ ヘソ スルン モンマショヨ)
    • 意味:運転しなければならないので、お酒は飲めません。
    • 解説:「운전해야 하다(ウンジョンヘヤ ハダ – 運転しなければならない)」+理由を表す「-아서/어서(アソ/オソ)」。「못 마셔요」と明確に伝えています。
  • 내일 아침 일찍 일이 있어서요. (ネイル アチム イルッチク イリ イッソソヨ)
    • 意味:明日の朝早く用事があるので。
    • 解説:「내일(ネイル – 明日)」、「아침(アチム – 朝)」、「일찍(イルッチク – 早く)」、「일(イル – 仕事、用事)」。翌日の予定を理由にするのも一般的です。特に重要な仕事や試験などを控えている場合は、理解を得やすいでしょう。
  • (오늘은) 컨디션이 안 좋아서요. ((オヌルン) コンディショニ アン チョアソヨ)
    • 意味:(今日は)コンディション(体調)が良くないので。
    • 解説:「컨디션(コンディション)」は日本語の「体調」に近い意味でよく使われます。「컨디션이 안 좋다(コンディショニ アン チョタ – 体調が良くない)」。具体的な病名などを言わずに、体調が優れないことを伝えることができます。
  • (오늘은) 좀 피곤해서요. ((オヌルン) チョム ピゴネソヨ)
    • 意味:(今日は)少し疲れているので。
    • 解説:「피곤하다(ピゴナダ – 疲れている)」。軽い体調不良や疲労を理由にする言い方です。

これらの理由は、その場限りの理由として使いやすいですが、毎回同じ理由だと不自然に思われる可能性もあるので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

角を立てない断り方:韓国式・気遣いの言葉

韓国では、相手の勧めを無下に断ることは失礼にあたると考えられることがあります。特にお酒の席では、場の雰囲気を壊さないように、断り方にも配慮が必要です。ここでは、相手の気持ちを汲みつつ、上手に断るための韓国的な気遣いの表現をご紹介します。

感謝と謝罪をセットで:「죄송해요 / 괜찮아요」

お酒を勧められた際に、ただ「飲めません」と言うだけでなく、まずは勧めてくれた相手の気持ちへの感謝や、飲めないことへの申し訳なさを表現することが、円滑なコミュニケーションの鍵となります。

괜찮아요 (クェンチャナヨ): 大丈夫です、結構です まず、勧められた瞬間に使えるソフトな断りの言葉が「괜찮아요」です。「아니요, 괜찮아요.(アニヨ, クェンチャナヨ / いいえ、大丈夫です)」のように「아니요(いいえ)」を付けても良いでしょう。これだけでも断る意志は伝わりますが、これに続けて理由や謝罪の言葉を加えると、より丁寧になります。

죄송해요 / 미안해요 (チェソンヘヨ / ミアネヨ): すみません、申し訳ありません 飲めないことに対して、申し訳ないという気持ちを表す言葉です。「죄송해요」の方がより丁寧で、目上の人がいる場などではこちらを使うのが無難です。「미안해요」は少し柔らかく、親しい間柄でも使えます。

  • 組み合わせ例:
    • 아, 죄송해요. 제가 술을 잘 못 마셔서요. (ア, チェソンヘヨ. チェガ スルル チャル モンマショソヨ.) あ、すみません。私、お酒があまり飲めなくて。
    • 권해 주셨는데 죄송해요. 저는 괜찮아요. (クォネ ジュショヌンデ チェソンヘヨ. チョヌン クェンチャナヨ.) 勧めてくださったのに申し訳ありません。私は結構です。 ※「권하다(クォナダ)」は勧める。
    • 미안해요, 오늘은 좀 피곤해서 술은 못 마실 것 같아요. (ミアネヨ, オヌルン チョム ピゴネソ スルン モンマシル コッ カタヨ.) ごめんなさい、今日はちょっと疲れててお酒は飲めそうにないです。 ※「-ㄹ/을 것 같다(ル/ウル コッ カッタ)」は「~そうだ、~みたいだ」。

마음만 받을게요 (マウムマン パドゥルケヨ): お気持ちだけいただきます これは非常に韓国らしい、気の利いた断りの表現です。「마음(マウム – 心、気持ち)」+「-만(マン – だけ)」+「받다(パッタ – 受け取る)」+意志を表す「-ㄹ/을게요(ル/ウルケヨ)」。直訳は「気持ちだけ受け取りますね」となり、相手の親切な申し出(お酒を勧める気持ち)に感謝しつつ、物(お酒)自体は遠慮するという、非常に丁寧で相手を立てる断り方です。お酒に限らず、何かをもてなされたり、ご馳走になりそうになったりした時にも使えます。

  • 例: 아닙니다, 괜찮아요. 마음만 받을게요. (アニムニダ, クェンチャナヨ. マウムマン パドゥルケヨ.) いいえ、結構です。お気持ちだけいただきます。 ※「아닙니다(アニムニダ)」は「いいえ(丁寧形)」。

これらの表現を組み合わせることで、「飲めない」という事実を伝えつつも、相手への敬意と感謝を示し、場の雰囲気を和やかに保つことができます。

代わりの飲み物を頼む:「다른 것 마실게요」

お酒は飲めなくても、その場の雰囲気を楽しみ、皆と一緒にいたいという気持ちを示すことも大切です。そのためには、お酒の代わりに自分が飲めるものを頼むのが効果的です。

다른 것 마실게요 (タルン ゴッ マシルケヨ): 他のものを飲みますね 「다른 것(タルン ゴッ – 他のもの)」+「마실게요(マシルケヨ – 飲みますね)」。具体的何を飲むかは言わずに、「(お酒ではない)他の飲み物をいただきます」と伝える表現です。

具体的な飲み物を頼む: 飲みたいものが決まっている場合は、具体的に頼みましょう。

  • 저는 술 대신에 콜라 주세요. (チョヌン スル テシネ コルラ ジュセヨ.) 私がお酒の代わりにコーラをください。 ※「대신에(テシネ)」は「~の代わりに」。
  • 물 좀 주세요. (ムル チョム ジュセヨ.) お水を少しください。 ※「물(ムル)」は水。「좀(チョム)」は「少し」。
  • 사이다 있어요? (サイダ イッソヨ?) サイダーありますか? ※「사이다(サイダ)」は、スプライトや三ツ矢サイダーのような炭酸飲料を指すことが多い。
  • 저는 주스 마실게요. (チョヌン ジュス マシルケヨ.) 私はジュースを飲みますね。

お酌を勧められた場合: 韓国では、目下の人から目上の人へお酌をする(술을 따르다 – スルル タルダ)文化があります。もし自分が飲めない場合でも、相手にお酌をすることは問題ありません。また、相手からお酌を勧められた(잔을 받다 – チャヌル パッタ)場合は、以下のように対応できます。

  • (グラスを受け取りながら) 감사합니다. 저는 대신 물 따라서 마실게요. (カムサハムニダ. チョヌン テシン ムル タラソ マシルケヨ.) ありがとうございます。私は代わりに水を注いで飲みますね。
  • (ソフトドリンクの入った自分のグラスを差し出しながら) 제 잔은 괜찮습니다. 마음만 감사히 받겠습니다. (チェ チャヌン クェンチャンスムニダ. マウムマン カムサヒ パッケッスムニダ.) 私の杯は結構です。お気持ちだけ有り難く頂戴いたします。 ※より丁寧な表現。

自分が飲めなくても、周りの人が飲んでいるのを否定せず、自分は別の飲み物でその場に参加する姿勢を見せることが、スムーズなコミュニケーションにつながります。

背景を知る:韓国の飲酒文化と「断る」こと

韓国語で上手に断るためには、韓国特有の飲酒文化について少し知っておくと役立ちます。なぜお酒を勧める文化があるのか、そして最近はその文化がどのように変化しているのかを見てみましょう。

「회식(フェシク)」と勧められるお酒

회식 (フェシク – 会食): 主に会社の部署やチーム単位で行われる飲み会や食事会のことを指します。単なる親睦会というだけでなく、仕事上のコミュニケーションを図ったり、チームワークを高めたりする目的も含まれていることが多く、韓国の組織文化において重要な位置を占めてきました。そのため、特に以前は、参加すること、そしてある程度お酒を飲むことが半ば義務のように考えられる風潮もありました。

お酌の文化 (술 따라주기 / 잔 받기): フェシクなどの席では、目下の人が目上の人にお酒を注いだり、逆に目上の人が目下の人にお酒を注いで勧めたりする場面が多く見られます。これは相手への敬意や親愛の情を示す行為とされています。注がれたお酒を断ることは、相手の好意を無にすることになると考えられ、断りにくい雰囲気がありました。特に、最初の1杯(첫 잔 – チョッチャン)は、特別な理由がない限り受けるのが礼儀とされることも。

乾杯 (건배 – コンベ): 皆で杯を掲げて「コンベ!」と発生し、飲み干す(원샷 – ウォンシャッ / One shot)ことを求められる場面もあります。

こうした文化背景から、お酒が飲めない人にとっては、フェシクなどの場がプレッシャーに感じられることがあったのです。

無理は禁物!最近の飲酒文化の変化

しかし、近年、韓国社会全体の価値観の変化に伴い、飲酒文化も大きく変わりつつあります。

個人の選択の尊重 (개인 존중 – ケイン ジョンジュン): 個人のライフスタイルや健康、宗教などを尊重する意識が高まり、お酒を飲まない選択も以前よりずっと受け入れられるようになりました。「飲めないなら仕方ない」「無理に飲ませるのは良くない」という考え方が広まっています。

飲酒の強要(강권 – カングォン)文化の衰退: パワハラ防止などの観点から、職場などで飲酒を強要する「カングォン文化」は明確に問題視され、減少傾向にあります。無理強いすることは法律で禁止される動きもあります。

健康志向の高まり: 健康への関心が高まり、過度な飲酒を避ける人が増えています。ノンアルコール飲料の種類も豊富になり、選択肢が広がっています。

変化するフェシク: フェシク自体も、単にお酒を飲むだけでなく、ランチを利用したり、文化活動やスポーツを楽しんだりするなど、多様化する傾向が見られます。

結論として、 現代の韓国では、以前に比べてお酒を断ることが格段にしやすくなっています。もちろん、相手への敬意や場の雰囲気を読む配慮は依然として大切ですが、「飲めない」ことを正直に、かつ丁寧に伝えれば、多くの場合理解してもらえます。無理をして体調を崩したり、嫌な思いをしたりする必要はありません。大切なのは、自分の状況を正直に、そして相手に失礼のないように伝えるコミュニケーション能力です。

実践!「お酒飲めません」と伝えるフレーズ5選

最後に、これまで見てきたポイントを踏まえ、実際の飲み会などの場面でそのまま使える、丁寧で角の立たない「お酒飲めません」フレーズを5つ厳選してご紹介します。これらのフレーズを覚えておけば、いざという時に自信を持って対応できるはずです。

フレーズ1:基本かつ丁寧「죄송해요, 제가 술을 잘 못 마셔서요.」

  • 韓国語: 죄송해요, 제가 술을 잘 못 마셔서요. (チェソンヘヨ, チェガ スルル チャル モンマショソヨ.)
  • 意味: すみません、私、お酒があまり飲めなくて(体質的に弱くて)。
  • 解説: 断りの基本形。「죄송해요」でまず謝意を示し、「제가(チェガ – 私が)」で主語を明確にし、「술을 잘 못 마시다(スルル チャル モンマシダ – お酒をうまく飲めない=あまり飲めない、下戸だ)」という最も一般的で当たり障りのない理由を述べ、語尾の「-아서요/어서요(アソヨ/オソヨ)」で柔らかく理由を提示しています。体質的に飲めないことを伝える際の、最も無難で丁寧な万能フレーズです。
  • 使用場面: 飲み会で最初にお酒を勧められた時、自己紹介のついでに伝える時など。

フレーズ2:気持ちだけ受け取る「아니요, 괜찮아요. 마음만 받을게요.」

  • 韓国語: 아니요, 괜찮아요. 마음만 받을게요. (アニヨ, クェンチャナヨ. マウムマン パドゥルケヨ.)
  • 意味: いいえ、結構です。お気持ちだけいただきます。
  • 解説: まず「아니요, 괜찮아요」で丁寧に断り、続けて「마음만 받을게요(マウムマン パドゥルケヨ)」という韓国ならではの美しい表現で、相手の「勧めたい」という気持ちへの感謝を示します。お酒そのものは断りつつも、相手の好意はしっかりと受け止めていることを伝える、非常に洗練された断り方です。
  • 使用場面: 相手が特にお酒を注いでくれようとした時や、ご馳走しようとしてくれた時など、相手の親切なアクションに対して。

フレーズ3:きっぱり、でもソフトに「저는 술은 못 마시고요, 대신 물 좀 주세요.」

  • 韓国語: 저는 술은 못 마시고요, 대신 물 좀 주세요. (チョヌン スルン モン マシゴヨ, テシン ムル チョム ジュセヨ.)
  • 意味: 私、お酒は飲めなくて、代わりにお水を少しいただけますか。
  • 解説: 「저는 술은 못 마시고요(チョヌン スルン モンマシゴヨ)」で飲めないことを明確に伝えつつ、接続語尾「-고요(コヨ)」が柔らかい印象を与えます。そしてすぐに「대신(テシン – 代わりに)」を使って代替案(この場合は水)を提示することで、「お酒は飲めないけれど、この場には参加します」という前向きな姿勢を示せます。「물(水)」の部分は「콜라(コーラ)」「주스(ジュース)」などに変えられます。
  • 使用場面: 自分の飲むものを注文する時や、周りがお酒を頼む流れの中で自分の状況を伝える時。

フレーズ4:具体的な理由を添えて「오늘은 차를 가져와서 술은 좀 그렇고요.」

  • 韓国語: 오늘은 차를 가져와서 술은 좀 그렇고요. (オヌルン チャルル カジョワソ スルン チョム クロコヨ.)
  • 意味: 今日は車で来たので、お酒はちょっと(難しいです)…。
  • 解説: 「오늘은 차를 가져와서(オヌルン チャルル カジョワソ – 今日は車で来たので)」という具体的で誰もが納得する理由をまず提示します。そして「술은 좀 그렇고요(スルン チョム クロコヨ)」という、直接的な断りを避けた婉曲表現を使います。「좀 그렇다(チョム クロッタ – ちょっとそうだ、具合が悪い、都合が悪い)」は、「ちょっと難しい」「遠慮したい」というニュアンスを曖昧に伝える便利な表現です。語尾の「-고요」が、話を和らげる効果も。
  • 使用場面: 運転がある日の飲み会で。他の明確な理由(翌日の予定など)がある場合にも応用できます。

フレーズ5:健康を理由に「건강 때문에 요즘 술 안 마시고 있어요.」

  • 韓国語: 건강 때문에 요즘 술 안 마시고 있어요. (コンガン テムネ ヨジュム スル アン マシゴ イッソヨ.)
  • 意味: 健康のために(理由で)、最近お酒を飲まないようにしています。
  • 解説: 「건강 때문에(コンガン テムネ – 健康のために/理由で)」という、これもまた一般的に受け入れられやすい理由を述べ、「요즘(ヨジュム – 最近)」を加えて、一時的なものではないことを示唆しつつ、「술 안 마시고 있어요(スル アン マシゴ イッソヨ – お酒を飲んでいません)」と現在の状況を伝えます。「안 마시다」を使っていますが、明確な理由(健康)があるので、意志の強さというよりは、ライフスタイルとしての選択であることが伝わります。
  • 使用場面: 飲まない理由を少し詳しく説明したい時や、継続的に飲まないことを伝えたい時。