Phrase

韓国語のビジネスメールの書き出しで使えるフレーズとは?使いやすいフレーズを3つ紹介!

グローバル化が進む現代において、韓国企業とのビジネスコミュニケーションはますます重要になっています。その中でも、メールは迅速かつ効率的な連絡手段として不可欠です。しかし、いざ韓国語でビジネスメールを作成しようとすると、「書き出しはどうすればいい?」「失礼な表現になっていないか?」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

特にメールの書き出しは、相手に与える第一印象を決定づける重要な部分です。韓国のビジネス文化では、日本と同様に、相手への敬意や礼儀正しさが非常に重視されます。適切な書き出しを用いることで、相手に好印象を与え、その後のコミュニケーションを円滑に進めることができます。

この記事では、韓国語のビジネスメールにおける書き出しの基本ルールから、宛名の正しい書き方、状況に応じたフレーズの使い分け、そしてすぐに実践できる定番の書き出しフレーズまで、網羅的に解説していきます。丁寧かつ効果的な書き出しをマスターし、韓国企業とのビジネスを成功へと導きましょう。(※タイトルでは「3つ」とありますが、より網羅的に解説するため、記事本文ではより多くの役立つ情報やフレーズを紹介しています。)

韓国ビジネスメールの基本構造とマナー

まず、韓国語のビジネスメールを作成する上での基本的な構成要素と、最も重要となるマナーについて理解を深めましょう。これが全ての土台となります。

件名から署名まで:ビジネスメールの構成要素

韓国語のビジネスメールも、基本的な構成は日本のものと大きく変わりません。以下の要素を順に含めるのが一般的です。

  1. 件名 (제목 – チェモク):
    • メールの内容が一目でわかるように、具体的かつ簡潔に記載します。
    • 例:「[会社名] 〇〇に関するお問い合わせ (〇〇에 관한 문의 – エ クァナン ムニ)」「[会社名] △△資料送付の件 (△△ 자료 송부 건 – チャリョ ソンブ コン)」のように、会社名や要件を入れると分かりやすいです。
    • 返信の場合は、「Re:」を残すのが一般的です。
  2. 宛名 (수신인 – スシニン):
    • 送信相手の氏名や役職、部署名を正確に記載します。敬称の付け方には注意が必要です。(詳細は後述)
  3. 書き出しの挨拶 (첫인사 – チョッインサ):
    • 状況に応じた適切な挨拶から始めます。初めてメールを送る場合は自己紹介も含めます。
  4. 本文 (본문 – ポンムン):
    • 伝えたい内容を、丁寧語(존댓말 – チョンデンマル)を用いて、分かりやすく簡潔に記述します。箇条書きなどを活用するのも効果的です。
  5. 結びの挨拶 (맺음말 – メジュンマル):
    • 感謝の言葉や、今後の協力をお願いする言葉などで締めくくります。
    • 例:「감사합니다 (カムサハムニダ – ありがとうございます)」「잘 부탁드립니다 (チャル プタットゥリムニダ – よろしくお願いいたします)」「답변 기다리겠습니다 (タッピョン キダリゲッスムニダ – ご返信お待ちしております)」など。
  6. 署名 (서명 – ソミョン):
    • 自分の氏名、役職、所属部署、会社名、連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレスなど)を正確に記載します。

これらの要素を漏れなく、かつ適切な順序で構成することが、ビジネスメールの基本となります。

丁寧さが鍵!韓国ビジネスにおける敬語の重要性

韓国のビジネス文化において、丁寧さ(=敬語の正しい使用) は、相手への敬意を示す上で最も重要な要素の一つです。儒教文化の影響が色濃く残る韓国では、年齢や役職による上下関係を重んじる傾向があり、それは言葉遣いにも明確に反映されます。

敬語 (존댓말 – チョンデンマル) の徹底: ビジネスメールでは、相手がたとえ自分より年下や役職が下であったとしても、基本的に常に敬語を使用します。日本語の「タメ口」にあたる「반말(パンマル)」を使うことは、極めて親しい間柄で、かつ相手の明確な同意がない限り、絶対に避けなければなりません。

敬語の種類と使い方: 韓国語の敬語には、主に以下の要素があります。

  • 丁寧な語尾:
    • -ㅂ니다/습니다 (-ムニダ/スムニダ) 体: 最も格式の高い丁寧語尾。公的な文書や非常にフォーマルな場面、目上の人に対して使います。ビジネスメールでも頻繁に使われます。
    • -아요/어요 (-アヨ/オヨ) 体: 日常会話で最もよく使われる丁寧語尾。柔らかい印象を与えますが、ビジネスメールでは「-ㅂ니다/습니다」体の方がより適切とされる場合が多いです。ただし、親しい取引先へのメールなどでは使われることもあります。迷ったら「-ㅂ니다/습니다」体を使うのが無難です。
  • 尊敬語:
    • 接辞「-시- (-シ-)」: 動詞や形容詞の語幹に挿入し、動作主への尊敬を表します。(例:가다 カダ → 가다 カシダ – 行かれる)
    • 尊敬語彙: 特定の単語を尊敬語に置き換えます。(例:있다 イッタ → 계시다 ケシダ – いらっしゃる、 자다 チャダ → 주무시다 チュムシダ – お休みになる、 먹다 モクタ → 드시다 トゥシダ / 잡수시다 チャプッスシダ – 召し上がる)
  • 謙譲語:
    • 自分側の動作をへりくだって表現し、相手への敬意を高めます。(例:주다 チュダ → 드리다 トゥリダ – 差し上げる、 만나다 マンナダ → 뵙다 ペプタ – お目にかかる、 말하다 マラダ → 말씀드리다 マルスムドゥリダ – 申し上げる)

これらの敬語表現を適切に使い分けることが、韓国のビジネスパーソンとして、また取引相手として信頼を得るための第一歩です。自信がない場合は、過剰なくらい丁寧に書くことを心がけるのが安全策と言えるでしょう。

正しい宛名の書き方:誰に送る?

メールの第一印象を左右する重要な要素が「宛名」です。相手の名前や役職を間違えたり、適切な敬称を使わなかったりすると、大変失礼にあたります。ここでは、状況に応じた正しい宛名の書き方を解説します。

担当者名が分かっている場合:「〇〇様」の基本形

送信相手の氏名と役職が分かっている場合は、以下の形式で書くのが最も一般的で丁寧です。

  • 基本形式:
    • [姓]+[名] + [役職名] + 님 (ニム)
    • 例: 김민준 과장님께 (キム・ミンジュン クァジャンニムッケ) – キム・ミンジュン課長様へ
    • 例: 박서연 대리님께 (パク・ソヨン テリニムッケ) – パク・ソヨン代理様へ
  • 役職名の例:
    • 会長: 회장님 (フェジャンニム)
    • 社長: 사장님 (サジャンニム)
    • 副社長: 부사장님 (プサジャンニム)
    • 専務: 전무님 (チョンムニム)
    • 常務: 상무님 (サンムニム)
    • 理事: 이사님 (イサニム)
    • 部長: 부장님 (プジャンニム)
    • 次長: 차장님 (チャジャンニム)
    • 課長: 과장님 (クァジャンニム)
    • 代理: 대리님 (テリニム)
    • 主任: 주임님 (チュイムニム)
    • チーム長: 팀장님 (ティムジャンニム) ※役職とは別にチームのリーダーを指す場合
  • 役職が不明な場合、または役職がない場合:
    • [姓]+[名] + 님 (ニム)
    • 例: 이지혜 님께 (イ・ジヘ ニムッケ) – イ・ジヘ様へ
    • この形式は、役職が分からない場合や、フリーランスなど特定の役職を持たない相手に対しても使える、非常に丁寧で汎用性の高い敬称です。ビジネスメールでは「~様」の意味で「님」を使うのが基本です。
  • 「~様へ」の表現:
    • 宛名の最後に「께 (ッケ)」を付けると、「~様へ」という、より丁寧な呼びかけになります。付けなくても間違いではありませんが、付ける方が一般的です。
  • 注意点:
    • 「씨 (シ)」は使わない: 日本語の「~さん」に近い「씨」は、ビジネスメールの宛名としては不適切です。同僚や部下に対しても、メールのような文書では失礼にあたる可能性があります。必ず「님」を使いましょう。
    • フルネームで: 基本的に姓と名をフルネームで記載します。

部署宛・担当者不明の場合の宛名

特定の担当者名が分からない場合や、部署全体にメールを送りたい場合は、以下の方法があります。

  • [部署名] + 담당자님께 (タムダンジャニムッケ): [部署名]のご担当者様へ
    • これが最も一般的で推奨される方法です。「담당자(タムダンジャ)」は「担当者」という意味です。
    • 例: 영업부 담당자님께 (ヨンオップ タムダンジャニムッケ) – 営業部 ご担当者様へ
    • 例: 인사과 담당자님께 (インサグァ タムダンジャニムッケ) – 人事課 ご担当者様へ
  • [会社名] / [部署名] + 귀중 (クィジュン): [会社名] / [部署名] 御中
    • 日本語の「御中」に相当する表現で、会社や部署全体に宛てて送る際に使われます。非常にフォーマルな表現で、メールよりは郵送物で使われることが多いですが、メールでも使用可能です。
    • 例: 〇〇株式会社 귀중 (〇〇チュシクェサ クィジュン) – 〇〇株式会社 御中
    • 例: 마케팅부 귀중 (マケティンブ クィジュン) – マーケティング部 御中
  • 関連部署の皆様へ:
    • 特定の部署の複数の関係者に送る場合など。
    • 例: 재무부 및 관계자 여러분께 (チェムブ ミッ クァンゲジャ ヨロブンッケ) – 財務部 及び 関係者の皆様へ ※「및(ミッ)」は「及び」、「관계자(クァンゲジャ)」は「関係者」、「여러분(ヨロブン)」は「皆様」。

担当者名が分からない場合は、「담당자님께」を使うのが、丁寧かつ実用的で間違いがないでしょう。

定番の書き出しフレーズ:時候の挨拶は必要?

宛名の次は、いよいよ本文の書き出しです。どのような挨拶から始めるのが適切なのでしょうか。日本のビジネスメールでお馴染みの時候の挨拶は、韓国でも必要なのでしょうか。

挨拶と自己紹介:初めてメールを送る場合

初めてメールを送る相手には、まず丁寧な挨拶と共に、自分が何者であるかを明確に伝える必要があります。

  • 最初の挨拶:
    • 안녕하십니까? (アンニョンハシムニッカ?) 「こんにちは」「おはようございます」「こんばんは」に相当する、最もフォーマルな挨拶です。時間帯に関わらず使えます。ビジネスメールの最初の挨拶として、これを使うのが最も一般的で、かつ丁寧です。
    • 「안녕하세요? (アンニョンハセヨ?)」も丁寧な挨拶ですが、メールのような文書、特に初対面の相手やフォーマルな内容の場合は、「안녕하십니까?」の方がより適切とされます。
  • 自己紹介:
    • 挨拶に続けて、自分の会社名、部署名、氏名を名乗ります。
    • 基本形式: 저는 [会社名] [部署名]의 [姓名]입니다. (チョヌン [会社名] [部署名]ウィ [姓名]イムニダ。) 私は[会社名][部署名]の[姓名]です。
      • 「저(チョ)」は「私(謙譲語)」。「-의(ウィ)」は「~の」。語尾は「-입니다(イムニダ)」で締めくくるのが最も丁寧です。
    • 例: 저는 ABC 주식회사 영업부의 김민준입니다. (チョヌン ABC チュシクェサ ヨンオップウィ キム・ミンジュンイムニダ。) 私はABC株式会社 営業部のキム・ミンジュンです。
  • メールの目的の提示:
    • 自己紹介の後、なぜメールを送ったのか、その目的を簡潔に述べます。
    • 基本形式: [〇〇] 건으로 연락드렸습니다. ([〇〇] コンウロ ヨルラクトゥリョッスムニダ。) [〇〇]の件でご連絡いたしました。
      • 「건(コン)」は「~の件」。「연락드리다(ヨルラクトゥリダ)」は「連絡する」の謙譲語。
    • 例: 신제품 관련하여 문의드립니다. (シンジェプム クァルリョナヨ ムニドゥリムニダ。) 新製品に関してお問い合わせいたします。 ※「관련하여(クァルリョナヨ)」は「~に関して」、「문의드리다(ムニドゥリダ)」は「問い合わせる」の謙譲語。

初めてメールを送る際の書き出し例:

김민준 과장님께

안녕하십니까? 처음 연락드립니다. 저는 ABC 주식회사 해외영업부의 다나카 타로입니다. 귀사의 홈페이지를 통해 알게 된 신제품 ‘XYZ’ 관련하여 몇 가지 문의드릴 사항이 있어 연락드렸습니다.

(キム・ミンジュン課長様へ

こんにちは。 初めてご連絡いたします。私はABC株式会社 海外営業部の田中太郎です。 貴社のホームページを通じて知りました新製品「XYZ」に関しまして、いくつかお伺いしたい事項があり、ご連絡いたしました。)

このように、丁寧な挨拶、明確な自己紹介、そして簡潔な目的提示をセットで行うのが、最初のメールの基本的な書き出し方です。

時候の挨拶は省略?ビジネスメールの簡潔性

日本のビジネスメールでは、「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」といった時候の挨拶から書き出すのが一般的ですが、韓国のビジネスメールでは、このような時候の挨拶は基本的に使用しません。

韓国のビジネス文化では、メールは要件を効率的に伝えるためのツールという認識が比較的強く、時候の挨拶のような本題に入る前の前置きは、冗長と受け取られる傾向があります。丁寧な挨拶(안녕하십니까?)と自己紹介(必要な場合)を済ませたら、すぐに本題に入るのが一般的です。

例外的な表現: 絶対にないわけではなく、非常にフォーマルな場合や、儀礼的な意味合いを強く持たせたい場合に、相手企業の繁栄を祈る以下のような表現が使われることもあります。

  • 귀사의 무궁한 발전을 기원합니다. (クィサエ ムグンハン パルチョヌル キウォナムニダ。) / 貴社の無窮の発展を祈願いたします。 「귀사(クィサ)」は相手の会社を敬っていう言葉(貴社)。「무궁한 발전(ムグンハン パルチョン)」は限りない発展。「기원하다(キウォナダ)」は祈願する。かなり硬い表現で、一般的なメールで頻繁に使うものではありません。年賀状や非常に重要な提案書などで見られる程度です。
  • 평소 각별하신 성원에 깊이 감사드립니다. (ピョンソ カクピョラシン ソンウォネ キピ カムサドゥリムニダ。) / 平素は格別のご声援(ご愛顧)に深く感謝申し上げます。 これもかなり丁寧で、継続的な取引がある相手への感謝を示す際に、挨拶代わりに使われることがあります。

結論として、 特別に儀礼的な意図がない限り、韓国のビジネスメールで時候の挨拶を入れる必要はありません。丁寧な最初の挨拶の後は、簡潔に本題に入ることを心がけましょう。

状況に応じた書き出し:返信・フォローアップの場合

初めてメールを送る場合だけでなく、返信やフォローアップなど、状況に応じて書き出しのフレーズも使い分ける必要があります。ここでは、よくある状況別の書き出し方を見ていきましょう。

返信メールの書き出し:「メールありがとうございます」

相手からのメールに対して返信する際は、まずメールを受け取ったこと、そして(もし早ければ)迅速な返信に感謝の意を示すのが丁寧なマナーです。

  • メール拝受の表現:
    • 메일 잘 받았습니다. (メイル チャル パダッスムニダ。) / メール、確かに拝受いたしました。 シンプルで最も一般的な表現です。「잘(チャル)」は「よく、ちゃんと」という意味で、確かに受け取ったニュアンス。
    • 보내주신 메일 잘 받았습니다. (ポネジュシン メイル チャル パダッスムニダ。) / お送りいただいたメール、確かに拝受いたしました。 「보내주시다(ポネジュシダ)」は「送ってくださる」という尊敬表現で、より丁寧な印象を与えます。
    • 문의하신 내용 잘 확인했습니다. (ムニハシン ネヨン チャル ファギネッスムニダ。) / お問い合わせの内容、確かに確認いたしました。 相手からの問い合わせメールに対する返信の場合、内容を確認したことを伝えるこの表現も使えます。「문의하다(ムニハダ)」は問い合わせる、「내용(ネヨン)」は内容、「확인하다(ファギナダ)」は確認する。
  • 返信への感謝:
    • 회신 감사합니다. (フェシン カムサハムニダ。) / ご返信ありがとうございます。 「회신(フェシン)」は返信。シンプルに感謝を伝える表現。
    • 빠른 회신 감사합니다. (パルン フェシン カムサハムニダ。) / 迅速なご返信ありがとうございます。 相手が早く返信してくれた場合に、その気遣いへの感謝を示します。「빠르다(パルダ)」は速い。
    • 자세한 설명 감사합니다. (チャセハン ソルミョン カムサハムニダ。) / 詳しいご説明ありがとうございます。 相手が何かを詳しく説明してくれたメールへの返信の場合。「자세하다(チャセハダ)」は詳しい、「설명(ソルミョン)」は説明。

返信メールの書き出し例:

박서연 대리님께

메일 잘 받았습니다. (または 빠른 회신 감사합니다.) 문의하신 〇〇 건에 대해 아래와 같이 답변드립니다.

(パク・ソヨン代理様へ

メール、確かに拝受いたしました。(または 迅速なご返信ありがとうございます。) お問い合わせいただいた〇〇の件について、下記の通りご回答いたします。)

このように、まずメールを受け取ったことや返信への感謝を一言述べてから、本題の返信内容に入るのがスムーズです。

フォローアップ・催促メールの書き出し

以前に送ったメールへの返信がない場合や、依頼した件の進捗を確認したい場合など、フォローアップや催促のメールを送る必要が出てくることもあります。この場合、相手を不快にさせないよう、より一層丁寧な言葉遣いを心がける必要があります。

  • 以前のメールに言及する:
    • 지난번에 보내드린 [件名] 건 관련하여 연락드렸습니다. (チナンボネ ポネドゥリン [件名] コン クァルリョナヨ ヨルラクトゥリョッスムニダ。) / 先日お送りした[件名]の件に関してご連絡いたしました。 「지난번(チナンボン)」は前回、先日。「보내드리다(ポネドゥリダ)」は「送る」の謙譲語。まず、どの件についての連絡かを明確にします。
    • 〇월 〇일 보내드린 메일은 확인하셨는지요? (〇ウォル 〇イル ポネドゥリン メイルン ファギナショヌンジョヨ?) / 〇月〇日にお送りしたメールはご確認いただけましたでしょうか? 日付を具体的に示し、確認を促す丁寧な表現。「-셨는지요?(ショヌンジョヨ?)」は「~なさいましたでしょうか?」という非常に丁寧な疑問形。
  • 進捗状況を尋ねる(丁寧に):
    • 혹시 [件名] 건은 어떻게 진행되고 있는지요? (ホクシ [件名] コンウン オットッケ チネンドェゴ インヌンジョヨ?) / もしよろしければ、[件名]の件はどのように進捗しておりますでしょうか? 「혹시(ホクシ)」は「もし、もしかしたら」という意味で、質問を和らげるクッション言葉。「진행되다(チネンドェダ)」は進捗する、進む。
    • [件名] 건의 진행 상황을 알려주시면 감사하겠습니다. ([件名] コンウィ チネン サンファンウル アルリョジュシミョン カムサハゲッスムニダ。) / [件名]の件の進捗状況をお知らせいただけますと幸いです。 「진행 상황(チネン サンファン)」は進捗状況。「알려주시면 감사하겠습니다(アルリョジュシミョン カムサハゲッスムニダ)」は「お知らせくだされば感謝いたします(=~していただけると幸いです)」という丁寧な依頼表現。
  • リマインダー(催促)を丁寧に:
    • 바쁘신 와중에 죄송하지만, [件名] 건 확인 부탁드립니다. (パップシン ワジュンエ チェソンハジマン, [件名] コン ファギン プタットゥリムニダ。) / お忙しいところ恐縮ですが、[件名]の件、ご確認をお願いいたします。 「바쁘신 와중에(パップシン ワジュンエ)」は「お忙しい最中に」という相手への配慮を示す定型句。「죄송하지만(チェソンハジマン)」は「申し訳ありませんが」。「확인 부탁드립니다(ファギン プタットゥリムニダ)」は確認をお願いします。
    • 혹시 회신을 아직 못 받으셨을까요? (ホクシ フェシヌル アジク モッ パドゥショッスルカヨ?) / もしかして、まだご返信いただけておりませんでしょうか? 返信がない場合に、相手が忘れている可能性も考慮しつつ、非常に丁寧に確認する表現。

フォローアップや催促は、タイミング(あまり早く送りすぎない)と丁寧さが重要です。相手の状況を気遣う言葉を添えることを忘れないようにしましょう。

実践!ビジネスメール書き出し 定番フレーズ3選(+α)

最後に、様々な状況で応用できる、韓国語ビジネスメールの書き出しにおける「定番」とも言えるフレーズを、特に重要な3つのパターンに絞って(そして補足としてさらに役立つ表現も加えて)ご紹介します。これらをマスターすれば、多くの場面で自信を持ってメールを書き出すことができるでしょう。

フレーズ1:基本の挨拶と自己紹介(初メール)

  • フレーズ構成:
    1. 안녕하십니까? (アンニョンハシムニッカ?) – こんにちは/おはようございます/こんばんは
    2. (처음 연락드립니다.) 저는 [会社名] [部署名]의 [姓名]입니다. ((チョウム ヨルラクトゥリムニダ.) チョヌン [会社名] [部署名]ウィ [姓名]イムニダ。) – (初めてご連絡します。) 私は[会社名][部署名]の[姓名]です。
    3. [〇〇] 관련하여 문의드립니다 / 연락드렸습니다. ([〇〇] クァルリョナヨ ムニドゥリムニダ / ヨルラクトゥリョッスムニダ。) – [〇〇]に関してお問い合わせいたします / ご連絡いたしました。
  • 解説: これは、初めての相手にメールを送る際の、最も基本的かつ必須の書き出しパターンです。①でフォーマルな挨拶をし、②で自分が何者であるかを明確に伝え(「처음 연락드립니다」は任意ですが、入れるとより丁寧)、③でメールの主目的を簡潔に示します。この3ステップを踏むことで、相手は誰からの、何の用件のメールなのかをすぐに理解でき、スムーズに本題に入ることができます。敬語レベルも適切で、失礼にあたることはまずありません。
  • ポイント: 会社名、部署名、氏名は正確に記載しましょう。目的を述べる動詞は、「문의드리다(問い合わせる)」「연락드리다(連絡する)」「말씀드리다(申し上げる)」など、内容に合わせて使い分けます。

フレーズ2:返信時の定型句「メール拝受しました」

  • フレーズ:
    • (보내주신) 메일 잘 받았습니다. ((ポネジュシン) メイル チャル パダッスムニダ。) – (お送りいただいた)メール、確かに拝受いたしました。
    • (빠른) 회신 감사합니다. ((パルン) フェシン カムサハムニダ。) – (迅速な)ご返信ありがとうございます。
  • 解説: 相手からのメールに返信する際の、定番の書き出しです。まずメールを受け取ったことを伝えるか、返信に対する感謝を述べることで、コミュニケーションが円滑に進みます。「보내주신」を付けるとより丁寧、「빠른」を付けると相手の迅速な対応への感謝が伝わります。どちらか、あるいは両方を状況に応じて使いましょう。これに続けて、「문의하신 내용에 대해 답변드립니다. (ムニハシン ネヨンエ テヘ タッピョンドゥリムニダ / お問い合わせの内容についてご回答いたします。)」のように、返信内容への導入を続けるのが一般的です。
  • ポイント: 毎回必ず入れるべきとまでは言いませんが、特にビジネスの場面では、受領確認や感謝を示すことで丁寧な印象を与えます。

フレーズ3:丁寧な導入「いつもお世話になっております」(継続取引先へ)

  • フレーズ例:
    • 항상 많은 도움 주셔서 감사합니다. (ハンサン マヌン トウム ジュショソ カムサハムニダ。) – いつも多大なご支援(お力添え)をいただき、ありがとうございます。
    • 늘 저희 [会社名]에 관심을 가져주셔서 감사합니다. (ヌル チョヒ [会社名]エ クァンシムル カジョジュショソ カムサハムニダ。) – 平素より弊社[会社名]にご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。
    • 평소 각별하신 성원에 깊이 감사드립니다. (ピョンソ カクピョラシン ソンウォネ キピ カムサドゥリムニダ。) – 平素は格別のご愛顧(ご声援)に深く感謝申し上げます。
  • 解説: 日本語の「いつもお世話になっております」に完全に一致する定型句は、実は韓国語にはありません。しかし、既に取引のある相手や、継続的に関係のある相手に対して、日頃の感謝や関係性を意識した丁寧な書き出しをしたい場合に、上記のような表現が使えます。「항상(いつも)」「늘(常に)」「평소(平素)」といった言葉を使い、相手からの「도움(助け、支援)」や「관심(関心)」、「성원(声援、愛顧)」に対する感謝を述べます。最初の挨拶「안녕하십니까?」の後に、本題に入る前のクッションとして入れることがあります。
  • ポイント: これらは必須ではありません。特に用件のみを簡潔に伝えたい場合は省略しても問題ありません。使う場合は、相手との関係性やメールの内容に応じて、適切な表現を選びましょう。毎回使うというよりは、状況に応じて感謝の気持ちを伝えたい時に添える、という感覚が良いかもしれません。

補足(+α):久しぶりに連絡する場合

  • 오랜만에 연락드립니다. (オレンマネ ヨルラクトゥリムニダ。) – ご無沙汰しております。(久しぶりにご連絡いたします。) しばらく連絡を取っていなかった相手へのメールの書き出しとして使えます。「안녕하십니까?」などの挨拶の後に添えましょう。

これらの定番フレーズを状況に応じて使い分けることで、相手に失礼なく、かつスムーズに用件を伝えることができる、プロフェッショナルな韓国語ビジネスメールを作成することができるでしょう。